2026 FIRST-HALF EGD CLINICAL QUALITY REPORT
胃カメラ診療の質を、
数字で確かめる。
2026年1月から6月までに当院で実施した胃カメラ490件を記録・検証し、検査所見だけでなく、病理診断、治療へのつながり、治療後サーベイランスまで解析しました。
490 / 490
全件Validation完了
490
件
胃カメラ
6
例
病理確定胃がん
6 / 6
検査時に
早期胃がんと診断
35
人
胃がん治療後
サーベイランス
01
DATASET
490件を、検査結果だけでなく
病理と治療経過まで検証しました
当院では、胃カメラの「検査件数」だけではなく、どのような病変が見つかり、その後どのような診断・治療につながったのかを継続的に記録しています。
2026年上半期は全490件についてデータ検証を完了し、病理検査を行った症例では病理結果を紐づけて解析しました。
| 指標 | 結果 |
|---|---|
| 胃カメラ検査 |
490件 |
| データ検証完了 |
490 / 490件(100%) |
| 病理結果との連結 |
310件(63.3%) |
| 経口内視鏡 |
367件(74.9%) |
| 経鼻内視鏡 |
123件(25.1%) |
| 平均年齢 |
60.8歳 |
| 年齢範囲 |
23〜88歳 |
検査方法
当院では、胃がんリスクや観察目的に応じて経口内視鏡を中心に行い、経鼻内視鏡も選択肢として用意しています。
490
EGD
経口 74.9%
経鼻 25.1%
02
BACKGROUND
当院の胃カメラを受ける方の約6割は
「ピロリ菌除菌後」でした
490件中、287件(58.6%)がピロリ菌除菌後でした。
当院の胃カメラは、胃痛や胸やけなどの症状を調べるだけではありません。ピロリ菌感染・除菌後など、胃がんリスクを考慮して継続的に胃を観察する検査が大きな割合を占めています。
HP除菌後
58.6
%
287 / 490件
Kimura分類記録例のO型萎縮
49.0
%
172 / 351件
数字の読み方
当院では、ピロリ菌除菌後や萎縮性胃炎など、胃がんリスクを意識して定期的に胃カメラを受けている患者さんが多く含まれます。そのため、当院の胃がん発見率を一般健診などの数字と単純に比較することは適切ではありません。
03
NEOPLASM
490件から見つかった
重要な上部消化管腫瘍
6
例
胃腺がん
1
例
Barrett食道癌
2
例
胃NET
9
例
重要上部消化管腫瘍 合計
病理確定胃がんは6 / 490=1.22%でした。
胃がん・Barrett食道癌・胃NETを合わせた重要上部消化管腫瘍は9 / 490=1.84%でした。
04
GASTRIC CANCER
胃がん6例は、すべて検査時に
「早期胃がん」と診断しました
6 / 6
病理確定胃がん6例すべて
2026年上半期に当院で発見され、病理で胃腺がん(Group 5)と確定した6例すべてを、当院では内視鏡検査時に「早期胃がん」と診断していました。
1
胃カメラで
病変を発見
→
2
早期胃がん
と診断
→
3
生検で
Group 5
→
4
専門施設で
治療へ
「早期に見つける」ことと「ESDだけで治る」ことは同じではありません
6例のうち1例は、内視鏡では早期胃がんとして発見してESDを行いましたが、切除後病理でpT1b2(SM2)・リンパ管侵襲ありと判明し、ESD単独では非治癒切除と判定されました。当院では、良い結果だけでなく、このような治療後の結果もレジストリに残しています。
05
SMALL LESIONS
数mm〜1cm前後の小さな胃がんも
治療につながっています
6例の中には、当院で8mm程度の病変として発見された胃がんも複数含まれていました。
紹介先でESDが行われ、粘膜内がん(M)として治癒切除となった症例も確認されています。
06
SURVEILLANCE
胃がんを「見つける」だけではありません
治療後35人を継続して診ています
2026年上半期には、胃がんの治療を受けた35人の患者さんについて、当院で胃カメラによる定期的な経過観察を行いました。
31
人
胃がんESD歴あり
2
人
胃がんEMR歴あり
2
人
胃切除歴あり
3
人
食道がんESD後
※治療歴は重複する患者さんがいるため、各項目を合計しても患者総数とは一致しません。
治療後も、別の場所に新しい胃がんが生じることがあります
当院では、ESDや手術後の患者さんについて、治療した場所だけでなく、胃の別の場所に新しく発生する「異時性胃がん」にも注意して長期的に観察しています。実際のサーベイランス症例には、異時性・異所性多発胃がん、HP未感染胃がん、自己免疫性胃炎を背景とした胃がんなど、さまざまな背景が含まれていました。
07
MONTHLY TREND
半年間の実診療の積み重ねです
78
1月
80
2月
70
3月
92
4月
75
5月
95
6月
| 月 | EGD | 病理 | 胃がん | 胃NET | Barrett食道癌 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1月 | 78 | 54 | 1 | 2 | 0 |
| 2月 | 80 | 60 | 1 | 0 | 1 |
| 3月 | 70 | 34 | 1 | 0 | 0 |
| 4月 | 92 | 51 | 0 | 0 | 0 |
| 5月 | 75 | 54 | 1 | 0 | 0 |
| 6月 | 95 | 57 | 2 | 0 | 0 |
| 合計 | 490 | 310 | 6 | 2 | 1 |
08
REGISTRY QUALITY
今回、レジストリそのものも修正しました
今回の解析では、レジストリのデータそのものについても監査を行いました。
当初、自動集計では「胃がん治療後」として39人が抽出されていました。
自動集計
39人
→
全症例を原資料で再確認
個別監査
→
胃がん治療後
35人
一人ずつ診療記録を確認すると、その中には、早期十二指腸がん治療後、食道パピローマ治療後、食道がん治療後など、胃がん以外の患者さんが含まれていることが分かりました。
そこで全症例を再確認し、胃がん治療後は35人と修正しました。
AIや自動集計は、大量の診療データを整理するうえで非常に有用です。しかし最終的には原資料に戻り、人の目で確認することが重要です。
当院がレジストリを作る目的は、数字をよく見せることではありません。
自分たちがどのような患者さんを診て、何を見つけ、その後どのような治療につながったのかを、できる限り正確に振り返ることです。
今回も、自動集計 → 個別症例の確認 → 原資料との照合 → レジストリ修正という工程を経ることで、より正確なデータに更新しました。
09
INTERPRETATION
この解析から分かったこと
2026年上半期の490件を解析すると、当院の胃カメラ診療には一つの特徴が見えてきました。
「胃カメラをたくさん行っている」ことそのものではありません。
ピロリ菌除菌後や萎縮性胃炎など、胃がんリスクを考慮して継続観察が必要な患者さんを多く診療し、その中から小さな変化を拾い上げ、必要に応じて病理診断につなげる。
さらに専門施設での治療結果まで追跡し、胃がんを治療した患者さんについても、その後の胃を長期的に見守っていく。
その一連の診療を続けていることです。
2026年上半期 EGD Registry Summary
490件
287件
6例
6 / 6例
1例
2例
35人
この数字だけで、他施設との優劣を示すものではありません
これは半年間の診療実績です。また当院は、ピロリ菌除菌後、萎縮性胃炎、胃がん治療後など、胃がんリスクを意識して定期的に検査を受ける方を多く診療しています。胃がん発見率1.22%を一般健診などと単純比較することは適切ではありません。
10
NEXT
今後も、診療の質を数字で振り返ります
2026年上半期の解析は、一つの通過点です。
今後も下半期、年間データへと症例を積み重ね、胃がんの発見状況、ピロリ菌感染・除菌後の胃粘膜背景、萎縮性胃炎、治療後サーベイランス、ESD後の治療結果などを継続して追跡していきます。
「胃カメラを何件行ったか」だけではなく、
「どのような質の胃カメラ診療を行っているのか」を検証する。
PDF
CLINICAL QUALITY REPORT
より詳しい解析結果を、
PDFレポートで公開しています
2026年上半期の胃カメラ490件について、患者背景、病理結果、胃がん6例の症例プロファイル、治療転帰、胃がん治療後サーベイランス、レジストリ監査までまとめたClinical Quality Reportを公開しています。
患者さんだけでなく、医療関係者の方にも診療実績の内容をご確認いただけるよう、分母や定義、治療後の経過を含めて掲載しています。
2026 FIRST-HALF
EGD Clinical Quality Report
2026年上半期 胃カメラ診療実績・レジストリ解析
ENDOSCOPY INFORMATION
このデータの背景にある
当院の胃カメラ診療について
使用している内視鏡機器、経口・経鼻内視鏡の考え方、鎮静下での検査、早期胃がん発見への取り組みについては、胃カメラ検査のページで詳しくご案内しています。
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