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消化器内科

慢性胃炎とは?ピロリ菌・萎縮性胃炎と胃がんリスク|新潟三条ささき内科・消化器内科クリニック

慢性胃炎とは? ピロリ菌・萎縮性胃炎と胃がんリスクについて

「健康診断で慢性胃炎と言われた」
「以前、ピロリ菌を除菌したけれど、その後は胃カメラを受けていない」

このような方は少なくありません。

慢性胃炎は非常にありふれた病気ですが、その背景に
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)感染
がある場合には、胃がんとの関係を考えることが大切です。

特に、ピロリ菌感染によって胃粘膜の萎縮が進んでいる方では、
除菌後も胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。

この記事では、慢性胃炎とピロリ菌、萎縮性胃炎、
胃がんとの関係について解説します。

1
慢性胃炎とは?

慢性胃炎とは、胃の粘膜に慢性的な炎症が続いている状態です。

原因はいくつかありますが、日本では特に
ピロリ菌感染による慢性胃炎
が重要です。

ピロリ菌に感染した状態が長く続くと、胃粘膜の炎症が持続し、
少しずつ胃粘膜の萎縮が進んでいくことがあります。

この状態を萎縮性胃炎と呼びます。

さらに萎縮が進むと、胃の粘膜が腸の粘膜に似た性質へ変化する
腸上皮化生
がみられることがあります。

こうした変化のある胃は、
胃がんが発生しやすい「土壌」
になると考えられています。

2
慢性胃炎では「ピロリ菌」が重要です

慢性胃炎を指摘されたときに重要なのは、
ピロリ菌に感染しているのか、過去に感染していたのか
を確認することです。

胃カメラでは、以下のような所見から、
現在または過去のピロリ菌感染を考えます。

  • 胃粘膜の萎縮
  • 腸上皮化生
  • RAC(regular arrangement of collecting venules)
  • 胃粘膜の発赤や粘液
  • 鳥肌胃炎など

ただし、
胃カメラだけで現在のピロリ菌感染を確定するわけではありません。

必要に応じて、尿素呼気試験などの検査を組み合わせて
感染の有無を確認します。

3
ピロリ菌が陽性だった場合

現在ピロリ菌に感染していることが確認された場合には、
適応を確認したうえで除菌治療を行います。

除菌によって胃粘膜の炎症は改善し、
将来の胃がんリスクを低下させることが期待できます。


「ピロリ菌を除菌した=もう胃がんにならない」ではありません。

ピロリ菌に長期間感染していた方では、
除菌した時点ですでに胃粘膜の萎縮や腸上皮化生が
残っていることがあります。

そのため、除菌後も胃の状態に応じて
定期的な胃カメラを続けることが重要です。

ピロリ菌の検査方法、除菌治療、除菌後の判定などについては、
別の記事で詳しく解説しています。


ピロリ菌とは?検査・除菌治療について詳しく見る

4
ピロリ菌除菌後も胃カメラが重要な理由

当院で胃カメラを受けている患者さんの中にも、
ピロリ菌除菌後の方は非常に多くいらっしゃいます。


2026年上半期に当院で行った胃カメラ490件のうち、
287件(58.6%)がピロリ菌除菌後の検査でした。

つまり、当院の胃カメラ診療では、
除菌後の胃をどのように観察し、
胃がんを早期に発見するかが非常に重要なテーマになっています。

除菌後の胃がんには、
周囲の粘膜との境界が分かりにくいものや、
非常に小さな病変もあります。

そのため当院では、胃がんリスクの高い方では
高精細内視鏡やNBI、必要に応じて拡大観察を用いて、
わずかな色調変化や表面構造の違いを丁寧に確認しています。

5
当院では胃カメラの診療品質を検証しています

胃カメラは、単に「検査を受けた」というだけでは、
その質を評価することはできません。

当院では2026年から、胃カメラ全例を
EGD Clinical Registry
として記録・検証しています。

胃カメラ検査
490件
病理確定胃がん
6例
検査時に早期胃がんと診断
6 / 6例
胃がん治療後サーベイランス
35人

2026年上半期には490件の胃カメラを行い、
病理検査で胃がんと確定した症例は6例でした。

この6例はいずれも、胃カメラ検査の時点で
早期胃がんと診断していた症例です。

また、同期間には胃がん治療後35人の患者さんについて、
当院で定期的な胃カメラによるサーベイランスを行っていました。

見つける

病理診断

治療につなげる

治療結果を確認

その後も診つづける

ここまでを、当院では大切にしています。

6
経鼻と経口、どちらの胃カメラがよいですか?

当院では、
経鼻内視鏡と経口内視鏡の両方
に対応しています。

経鼻内視鏡は細径で、嘔吐反射が起こりにくく、
鎮静剤を使用しなければ検査後に自動車を運転できるという利点があります。

一方、ピロリ菌感染・除菌後、萎縮性胃炎、
胃がん治療後など、胃がんリスクが高く詳細な観察が必要な方には、
当院では
高精細・拡大観察に対応した経口内視鏡
を積極的にご提案しています。

経口内視鏡では鎮静剤を使用することもできます。

どちらが適しているかは、
患者さんの希望だけでなく、
これまでの胃の状態や検査目的も考えて選択します。

7
慢性胃炎と言われたら

慢性胃炎そのものは珍しい病気ではありません。

大切なのは、

  • なぜ慢性胃炎になっているのか
  • ピロリ菌感染があるのか
  • 胃粘膜の萎縮はどの程度なのか
  • 除菌後も胃がんリスクが残っているのか

を一人ひとり確認することです。

特に、以下に当てはまる方では、
症状がなくても胃の状態に応じた経過観察が重要です。

  • ピロリ菌陽性と言われたことがある
  • 過去にピロリ菌を除菌した
  • 萎縮性胃炎を指摘されている
  • 腸上皮化生を指摘されている
  • ご家族に胃がんになった方がいる
  • 胃がんの治療歴がある

最後に

慢性胃炎は、「胃が痛いかどうか」だけを見る病気ではありません。

特にピロリ菌感染を背景とした慢性胃炎では、

現在の胃粘膜がどのような状態にあり、
将来の胃がんリスクをどう考えるか

が重要です。

ピロリ菌を除菌する。

その後も必要な胃カメラを続ける。

そして、小さな変化を早期に見つける。

当院では、この流れを大切にしながら
胃の健康を長期的に診ていきます。

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